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七つ星皮フ科ブログBLOG

アトピー性皮膚炎

2018年8月27日

アトピー性皮膚炎とは

もともとアレルギーを起こしやすい体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られる皮膚の炎症を伴う病気です。
30年程前までは、アレルゲンを出来るだけ避け、ステロイド薬の治療で成長とともに治っていく病気でした。
しかし、最近は治らない人が多くなると同時に、
成人になってから、罹ってしまう人が増えてきています。
そして、成人型のアトピー性皮膚炎は、日本に多いですが、海外ではとても稀な疾患です。
日本でも30年前までは、今の海外と同じで稀な病気でした。
この30年間の日本の中で起こっている変化が、成人型アトピー性皮膚炎の原因になっていると考えられます。

アトピー性皮膚炎が増えてきたのは

30年間で大きく変化し、日本で特に目立つ事は、食品における添加物(化学物質)や、農薬の種類と量の増加です。
また、米を中心とした食事から、ポストハーベストで汚染された小麦を多く摂る食生活に、変化している事も大きな問題です。
世界の先進国で、小麦の遺伝子操作によるグルテンの質と量の変化で、様々な健康被害が報告されています。
欧米では、グルテンフリー(小麦を排除する)が広がっているにも関わらず、日本ではその小麦にさらに、輸入先の港で防腐剤を直接混入(ポストハーベスト)した小麦を食べています。
さらに、日本人の主食である米も遺伝子操作により、よりおいしくて、害虫に強い品種がたくさん作られてきました。
アトピー性皮膚炎の方は、もちもちした食感を持つこしひかり系の米で症状の悪化が見られます。

アトピー性皮膚炎の特長

  • 乾燥肌

    外からの保湿はもちろんですが、内側からの保湿には生オイルの経口摂取が大変有効です。
    従来、油はアトピーに悪いとされてきましたが、酸化していない、きれいなオイルでω9脂肪酸(オリーブオイルなど)、ω3脂肪酸(亜麻仁など)を摂取すると、皮脂膜が形成され、驚く程に肌に潤いが戻ります。
    生オイルの摂取は飲む保湿剤です。

  • 皮膚のフローラ(常在菌)の乱れ、黄色ぶどう球菌(病原菌)の生着

    腸内フローラと同様に、皮膚にも現在、40種類程の菌が生着している事がわかっています。
    腸内環境と同様に皮膚環境を整える事は重要で、それは皮膚のフローラの多様性とバランスが良い状態のことです。
    バランスの良い菌の棲家は皮脂膜です。乾燥肌(皮脂膜がない)には良い菌は棲めないのです。
    ①でお話ししたように生オイル摂取が大事になります。そして、防腐剤などの食品添加物や農薬、これらは微生物や虫を殺して食品を守っていますが、これらが私達の体内に入ると、私達の腸内や皮膚の大切な菌を傷つけてしまいます。
    日本の食品は傷まないのが有名で、コンビニエンスストアのサラダなどは、コンポスターに入れても変化せず、おにぎりも一ヶ月間腐らないと言われています。多くの食品添加物が投入されていると考えられますので、注意が必要です。
    あらゆる動物は微生物と共存していますので、微生物を守るために化学物質や農薬の少ない食品を選ぶ事が必要です。

  • 炭水化物(米、小麦製品)への執着
    過食傾向

    この2つ(③、④)は同時発症で、赤ちゃんからお年寄りまでこの傾向が見られます。
    この状態が改善されれば、実はアトピーを克服したも同然なほど、アトピー性皮膚炎の症状と同調しています。
    この2つの状態は、無理矢理変える事は難しく、意思の力だけで向き合うと、反動という形で苦しむ事になります。
    着実にゆっくりと、炭水化物への執着や過食をやめていくためには、心を柔らかくして炭水化物以外の食品、つまりタンパク質と脂質を増やすことに意識を向けて実践していきます。
    タンパク質に関しては、お肉、たまご、牛乳などの乳製品、そして栄養補助食品のプロテインは特におすすめです。
    脂質は①でお話ししたように、生オイルをたくさん経口摂取します。
    皆さん驚かれますが、成人男性では1日当たり大さじ5杯、女性で大さじ4杯をおすすめしています。タンパク質と脂質が十分摂取出来ると、空腹感が減るので炭水化物の量が徐々に減っていきます。

この4つはほとんどのアトピー性皮膚炎の方に見られる傾向です。
それぞれに対してのアプローチが必要となりますのでお気軽にご相談ください。